伊藤養鶏場を訪ねて | たらった立川

立川産のブランド卵といえばここ！と真っ先に名前が上がる伊藤養鶏場。立川の輝く個店受賞店もこぞって料理やお菓子に使っているとか…そんな「伊藤さんの卵は、一体何が違うの？」そのワケと秘密に迫るべく、西砂町の伊藤養鶏場さんにお邪魔しました。

約60 年の歴史がある伊藤養鶏場で、希少価値の高い東京うこっけいを飼育している三代目の伊藤彰（いとうあきら）さん。さっそくお話を伺いましょう。

元々はおじいさんの代に数十羽の鶏を飼い始め、ご近所に卵を売るところから始まった伊藤養鶏場。一万羽になった鶏を相続により鶏舎の縮小を余儀なくされ、東京うこっけいに切り替えた二代目。規模縮小に伴い売上が落ち込んでいたところ、品質向上のためエサの改良と衛生面の強化を繰り返し、販売してくれる小売店や飲食店への販路拡大をはかるなど、東京うこっけいのブランディグ化に取り組んだ三代目。前職では不動産業に就いていたという彰さん。伊藤家に婿入りしてからは一転、日々養鶏のために試行錯誤。「美味しい卵づくりに命を賭けている」というアツいハートの持ち主です。

伊藤養鶏場では、「東京うこっけい」、純国産品種の「もみじ」、食肉用の「東京しゃも」の3 種類の鶏を手間暇かけてヒナから飼育しています。

ヒナと成鶏を合わせて約5000 羽いるという鶏舎では、「初生ヒナ」「中ヒナ」「大ヒナ」と成長段階に合わせてエサの配合を変えて与えているそうです。成鶏になるまで約4 ヶ月、より美味しく栄養価の高い卵を産むためには、親鳥の丈夫で健康な体づくりから、というわけなのですね。

張りのある白身と盛り上がった黄身は新鮮な証拠。黄身の色が濃く鮮やかなのは、自然由来のパプリカをエサに加えているからだそうです。

「養鶏で一番大切なのがエサの配合」という伊藤さん。伊藤養鶏場専用飼料としてメーカーに特注したエサを食べさせ、その親鳥から産まれたのが、通常タイプの「東京うこっけい卵」と、褐色のもみじ卵「たまごころ」です。
一方、卵かけご飯専用に特化した「極烏(ごくう)プレミアム」は、メーカーに特注している「たまごころ」のエサをベースとし、そこへ海藻、魚粉、ごまなど 17〜18 種類を農場でブレンドした特別のエサを作り上げ、更に「東京うこっけい」の中から厳選した鶏を集め、その特別なエサを与えて産ませているため、より濃厚で栄養価の高い卵に。
そのほか、某有名菓子店のオーダーに合わせて、あえてパプリカの配合を減らした黄身の色の薄い卵などもつくっているそうです。生き物なので当然といえば当然なのですが、とっても繊細ですよね。

せっかくの美味しい卵、スペシャルな卵かけご飯を召し上がりませんか？伊藤養鶏場がおすすめするとっておきの方法を伝授！

実は産みたてよりも10日間ほど寝かせた卵の方が雑味がなくなるので、より美味しいそうですよ。意外な卵の真実を教えていただきました！

地域に根ざし、「本当に美味しい」の輪を広げる…伊藤養鶏場の挑戦はまだまだ続きます。

今ではどこの販売所にも行列ができ、メディアでもたびたび取り上げられる伊藤養鶏場ですが、最初はなかなか売れないという苦労があったそう。それでも「本当に美味しい」という口コミが広まり、地域に根ざすとともに、取引の輪が広がっていきました。そんな伊藤養鶏場の卵、立川市内では、みのーれやのーかる・バザール、伊勢丹、髙島屋オンラインショップ、ルミネ内精肉あづまなどで購入することができます。驚きの濃厚さをまだ味わったことのない方は、ぜひ体験してみてください。