立川駅南口から歩くこと7分。黄色と黒のスタイリッシュな看板が目印です。同店では、常時10種類前後のビールをオンタップ。立川にちなんだ定番のほか、季節ごとに変わる銘柄も、ビール好きの心をくすぐります。目を引くサーバーのハンドル、椅子、テーブルは、すべて店主のハンドメイド。温かみのある風合いの中にもこだわりが感じられます。天気の良い日はテラス席で、注ぎたての一杯を楽しむことができるそうです。
店主のマシュー・ボイトンさんは、パブ文化の発祥国でもあるイギリス出身。ビールが身近で、ものづくりが好きなことも手伝って、醸造家の道に進んだそうです。日本有数の醸造所で経験を積み、2020年3月に同店をオープン。2023年1月からは、念願の自社醸造をスタートしました。店名「SAKAMICHI」の由来は、趣味の自転車ツーリング。「醸造は平坦な道ではないけれど、面白い道にも出会えるように」と願いを込めたのだそう。
ビールについて「麦とホップで作る」程度しか知らない私。マシューさんにお願いして、作り方を教えてもらいました。特別に醸造所の見学付き!後でいただくビールのおいしさが倍増しそうです。
特別に麦芽を試食させてもらいました。茶色い方はスタウト(黒ビール)などに使われるドイツ産の麦芽。焙煎による香ばしさと苦みが感じられます。クリーム色の方はイギリス産の麦芽で独特の酸味がありました。味を左右するpHの調整に使うそうです。
奥のタンクが麦汁の煮沸用。先ほどの麦汁にホップを投入して煮沸し、苦みや香りを付けます。SAKAMICHI BREWINGではニュージーランドから取り寄せたホップを使用。副原料もこのタイミングで入れます。
見学を終えたら、早速タップルームに戻ってメニューを確認!1杯990円/400mlで、一口サイズで試飲もできるというから驚きです。「たくさんの人にクラフトビールの魅力を知ってほしくて。試飲も気軽にどうぞ」とのこと。今回は自分が気になったものと、マシューさんのおすすめを、それぞれ注文することにしました。どんな一杯に出会えるかワクワクしますね。
次は夏におすすめの銘柄をオーダー。登場したのはNo.6「Dr.Krush NZ(ドクタークラッシュ ニュージーランド)」。こちらもIPAです。マシューさんがニュージーランド訪問で入手したホップを使った一杯は、にごりのある黄金色。発酵中にホップを入れたことによる色味なので、豊かな風味を持つ証ですね。飲んでみるとトロピカルなフレーバーが広がり、スムースな口当たり。余韻まで満足感のある一杯です。
和歌山の醸造所NomCraftとコラボした「BEAR FORCE ONE(写真右)」は、IPAから派生したヘイジーペールエール。複数のニュージーランド産ホップを掛け合わせて作りました。ライムの香りも爽快です。
京都醸造とコラボした「ビリの誉れ(写真左)」は、 “自転車乗り”の意味もあるビアカクテル「ラドラー」をもとにしたSAKAMICHIらしいラガー。ピンクグレープフルーツの自然な甘みとクリアな飲み口は、暑い日にぴったりですよ。
今後はクラフトビールの味はもちろん、銘柄の背景を知ってもらえるようなイベントを開催したいですね。ビールの専門家を招いてのトークショーなど、アイデアを練りたいと思います。近い時期のイベントだと、9月にルミネのあおぞらマルシェに参加予定です。イベントをきっかけに、私たちのブルワリーにも遊びに来てくださいね。おいしいビールを用意してお待ちしてます。
立飛ホールディングスが手がけた、タップルーム併設の醸造所。原料から製法まで徹底的にこだわって造られたビールは、2021年12月のオープン以来、多くのファンを魅了してきました。ららぽーと立川立飛のすぐそばという好立地で、立ち寄りやすいのも魅力のひとつ。お買い物や映画の帰りに、ひとりで訪れる人も多いそうです。常時オンタップされた6種類のビールが楽しめるほか、ボトルビールも購入できます。
写真左からタップルームスタッフの中島(なかじま)さん、営業の白土(しらと)さん。中島さんはビール好きが高じて入社し、タップルームを切り盛りしています。白土さんは、立飛ビールの魅力を広めてきた立役者。ブルワーや他の社員と協力しながら、ビールイベントも盛り上げています。
どれも美味しそうだったので「4種選べるビアフライト」1,650円(税込)を注文。180mlずつ4銘柄を飲めるお得なセットです。中島さんが配った4枚のトランプは、注文時に活躍してくれるとのこと。一体なんでしょうか?
まずは看板ビールのピルスナーから。コクがあるのに喉越しが良くてあっという間に飲めてしまいます。「お客様も『せっかくだから金賞のビールを』と注文する方が多いんです」と中島さん。「暑い日の仕事帰りに飲むならピルスナーが一番ですね」という、白土さんの営業マンらしいコメントに強く頷いてしまいました!
3杯目はスタウト。焙煎した麦芽による、コーヒーのようなフレーバーと、しっかりした飲み口がツウ好みな銘柄です。リッチな味わいなのにクセがなく、黒ビールが苦手な人も飲みやすそう。中島さんによると「時間が経つと香りが立ち上るので、一口ごとに変化を楽しみたい人にもおすすめ」とのこと。
2杯目のヴァイツェンはバナナのようなフレーバーが華やか。クリーミーな口当たりは、無ろ過酵母と麦芽によるもの。苦みも抑えられていて、クラフトビールが初めてでも飲みやすそうです。ホップの豊かな香りに驚きます。
ラストは6月に発売したばかりのWHITE IPL。IPAとラガーからいいとこ取りをしたようなビールだそうです。飲んでみると、オレンジのような柑橘系の香りとしっかりとした苦みはIPAのようですが、キレのある飲み口はたしかにラガー。これは私、一目惚れならぬ一口惚れをしてしまいました。9月まで販売予定とのことなので、今年はこのビールで夏を乗り切りたいと思います!
立川市のふるさと納税の返礼品にもなっている立飛ビールは、いわば立川市のお墨付き。ギフトにもおすすめです。タップルームでは、自分用のお土産にちょうどいい1本売りのほか、6本セットも用意。地方発送も受け付けているので、遠方への帰省土産として購入する方も多いのだとか。お中元やお歳暮の時期は混み合うので、余裕を持った来店がおすすめです。大切な人たちと立川生まれのビールで乾杯してみては?
ご来店の際は直接店舗に営業時間の確認を行なっていただいた上でのご来店をお勧めいたします。