あちこちに新緑が芽吹いたら、
おでかけシーズンの到来です。
自然に触れてリフレッシュしたかったので、
今回は玉川上水周辺を散策することに。
300年以上前、
江戸の街に水を届けていた玉川上水ですが、
今では清らかな水と緑が広がる
観光スポットとしても知られています。
玉川上水の豊かな自然を満喫するなら、
桜の時期を過ぎた今がベスト。
寄り道しながら、
のんびり歩いていきたいと思います。
玉川上水駅は学生の街としても知られていますが、駅周辺はのどかな雰囲気。南口に降り立つと、さっそく玉川上水の清流が目に入りました。まずは、駅を背にして右手にある玉川上水遊歩道を散策。武蔵砂川駅方面に向かって歩きます。
立川市内に流れる上水路は約5.6km。その流れに沿って続く緑道は、気軽に自然を満喫できるスポットです。やわらかな木漏れ日や小川のせせらぎが心を和ませてくれます。美しい水辺は小さな生き物たちの住処としての役割も。初夏にはホタルが見られるというから驚きです!
ちなみに、春の緑道は人気のお花見スポット。水面にハラハラと舞い散る桜の花びらが、幻想的な雰囲気です。早くも来年のやりたいことリストに「玉川上水の桜を眺めながら歩く」を追加しちゃいました。
緑道沿いを歩いて最初に見える橋が千手小橋。橋を渡って少し歩くと「珈琲豆焙煎工房まめ吉」と書かれた看板がありました。歩みを進めると、素敵な庭とログハウスがお目見え。コーヒーの香りに誘われて、入ってみることに。一体、どんなコーヒーに出会えるのでしょうか。
店内でまず目に入るのが、鮮やかな赤色の焙煎機。「2年近く修行して、師匠から譲り受けました」と話してくれたのは、オーナーの山口英吉(やまぐちえいきち)さんです。使い込まれた味のある焙煎機は、師匠から腕を認められた証でもあるんですね。
お店の焙煎方式は、熱風式焙煎。中までふっくら均一に火を通すので、雑味なく仕上がるそうです。豆の状態を焙煎前後で細かくチェックし、一杯ずつハンドドリップ。個人店ならではの丁寧な仕事ぶりに、山口さんのコーヒーに対する想いが伝わってきます。
葉っぱのラテアートが可愛いチョコカフェモカは 590円。ほろ苦さと優しい甘さが絶妙です。素材にこだわった自家製スイーツは、なめらかな口当たりのチーズケーキが560円、イチジク・あんずのドライフルーツ・くるみ・アーモンドが入った木の実のスコーン230円(税込)。スコーンは日によって “お散歩中(欠品)” のフレーバーもあるので、訪れた時の気分で選んでみては。
晴れた日は外のカフェスペースでいただくのがおすすめ!庭の木々を眺めながら、淹れたてのコーヒーを味わう静かな時間に、自然と心がほぐれます。この日も次々とお客さんが来店して庭先へ。のどかな空気の中、それぞれの一杯を楽しんでいました。
おかわりでいただいた「玉川上水ブレンド」を気に入って、お土産に購入。深煎りらしいコクとまろやかさがありながら、スッキリとした後味です。1560円/200g(税込)。
他にも、看板ブレンドの「まめ吉ブレンド」や、お客さんの要望で定番化した「青の時間」など、気になる珈琲豆がちらほら。次回の候補を考えながら、お店を後にしました。
遊歩道に戻り、さらに武蔵砂川方面へ歩くと、金比羅山に到着。立川市唯一の“山”で、3つの神社が創建されています。高さはなんと10m!江戸時代に流行した富士塚(富士山を模して作った塚)という説、玉川上水を掘った際の土砂が盛られたという説があるそうです。
頂上を目指して、さっそく低低登山にチャレンジ。しばらく歩いていると、登り始めの階段横に「秋葉神社」がありました。小さな祠に向かって最初の参拝。
祠の横には金比羅山の由来が書かれた看板も。その歴史は古く、1854~1860年に築かれたのではないかと伝えられています。玉川上水で舟による交通や輸送がおこなわれていた頃、金毘羅様が舟神様として祀られたことから「金比羅山」と呼ばれるようになったそうです。
さらに階段を登って頂上に到着!「金比羅神社」と「富士浅間神社」が並んでいました。生い茂る草木の下、ひっそりと建つ祠は神聖な雰囲気。都内とは思えない自然に囲まれた、パワースポットでした。
登山の際はマナーを守って楽しんでください
階段の手前には小さな広場も。ベンチがいくつか置かれていて、休憩にちょうどよいスペースです。とはいえ、ほぼ散策の低低登山なので、体力も気力もまだまだ十分!次の目的地へ出発します。
五日市街道沿いを歩き、一度来てみたかった蔵の花屋コトハさんへ。小川を渡ると、古い蔵をリノベーションした外観が姿を現します。アンティークなテイストにフレッシュなお花が調和した店構えは、想像以上に素敵!エントランスから色とりどりの花が顔を覗かせていて、思わず笑顔に。古道具を利用したディスプレイも目を引きます。
今日は、店長の浅井祐子(あさい ゆうこ)さんに枝物の飾り方を教わります。「今の季節は『こでまり』がイチオシです。伸びやかな枝に小花がたくさん咲くので、2~3本でも華やかですよ」とのこと。早速レクチャーしていただきました。
花は蕾が多いものを選ぶと長く楽しめます。買ってきたらすぐに水揚げを。枝物は吸水しやすくするために、斜めにカットしてから縦割りをするのが基本だそうです。ハサミで割くような感じで切ります。花瓶に入れて不安定な場合は、先端を折って安定させる小ワザも(折り留め)。折った部分から吸水するのでご安心ください。
枝の重さで倒れないように、花瓶は重量感があるものを選びます。今回は約22cmの花瓶を使いました。浅井さんによると「初心者さんは口が四角いものを選べば、角で枝を支えやすいですよ」とのこと。よく水を吸うので、花瓶の 7~8割を目安にたっぷりと水を入れます。
水替えは最低 2~3日に一度でOKです。個体差はあるものの、花が咲いてから散り始めるまでは1週間ほど。散りそうな花はカットしておくと、美しい状態をキープできます。
浅井さんが「枝物ならユーカリもおすすめです」と教えてくれました。小さく丸みのある葉っぱは、可愛らしさがありながらも、洗練された印象です。
「こでまりの花が散った後は、切り花と合わせると寂しくないんですよ」とのこと。選ぶ花によって違う表情を楽しめるのも枝物の魅力なんですね!切り花は枝物よりも低くカットすると、メリハリが出てさらに美しく見えます。
そろそろ母の日が近いので、こでまりとカーネーションの花束をオーダー。おうちでも緑を眺めながらホッとできそうです。待っている間も、年代物の古時計や、ミシンなど、お店のあれこれを眺めるのが楽しいお花屋さんでした。
おいしいご飯で1日を締めくくろうと、玉川上水駅からモノレール沿いを歩くこと約2分。人気のイタリアン THANKS TABLE さんにやってきました。半地下の隠れ家風な造りにワクワク。どんな空間が広がっているのでしょうか?さっそくおじゃまします。
ドアを開けると、オーナーシェフの加瀬正哉(かせ まさや)さんが笑顔で出迎えてくれました。内装はインダストリアルテイストで、大人のムードです。ドリンクカウンターに並ぶワインを見ていると「良ければ料理と合わせてご用意しますよ」と嬉しい提案が。お言葉に甘えることにしました。
今日はランプが優しく照らすテーブル席へ。おしゃれなのに肩肘張らない雰囲気は「お1人でも気軽に来てほしいです」という加瀬さんの言葉を表しているよう。シェフの技を間近で見るなら特等席のカウンターが良さそう。限定5席の早いもの勝ちです!
まずは旬のものを味わえる前菜から。菜の花とはっさくが散りばめられた、真鯛のカルパッチョは1,200円(税込)。れんこんチップスとの食感のコントラストも楽しい一品です!ゆず果汁と西京味噌を使ったソースで、鯛の旨味が際立ちます。辛口のスパークリングワイン、ルタンメイユールブリュットで乾杯。グラス770円(税込)。
テーブル席からカウンターの様子を眺めるのも楽しみの1つです。すべてを加瀬さん1人で対応しているとは思えないほどのスピード感と、プロの技は驚きの連続。次の料理への期待も高まります。
パスタは、看板メニューのごろごろボロネーゼ1,200円(税込)。「ホッとする和のエッセンスも少し入れたくて」と加瀬さんが隠し味に使ったのは八丁味噌とはちみつ。仕上げにフレッシュなパルミジャーノ・レッジャーノをたっぷりかけて完成です。合わせた赤ワインは、エロスカベルネソーヴィニヨン。グラス990円(税込)。
お待ちかねのメインは、仔牛のタンシチュー1,700円(税込)。5時間かけて煮込んだタンは、とろけるような柔らかさ!自家製デミグラスソースにフォームミルクを合わせたソースも相まって、濃厚な味わいです。グリル野菜とも相性バッチリ。
加瀬さんの「僕が今ハマって作ってる料理です」という言葉通り、随所にこだわりが感じられる逸品でした。
お客様のリクエストがメニューになることも多いとか。「ジャンルにこだわらずいろいろ作るのが好きなんです。次来た時には、新メニューが増えてるかもしれませんね(笑)」と話す加瀬さん。季節が変わる頃にまた来てみようと、ひそかに決意したのでした。
美しい緑と小川を眺めながら歩いていると、自然と気持ちが上向きに。つい立ち寄りたくなるスポットも多く、外に出たくなる今の時期にぴったりの散策エリアでした。みなさんも、玉川上水周辺をのんびりお散歩してみませんか?
美味しいお土産、買って帰ろ!
リオンドール
立川で25年以上愛される、街のパン屋さん。可愛いライオンが目印のお店です。人気のカレーパンは、スパイスを15種類ブレンドしたフィリングが風味豊か。さっぱりとした綿実油で揚げてサクサク食感に仕上げています。
シャロン洋菓子店
1980年創業の老舗洋菓子店。世代を超えて愛されるミルフィーユは、創業当時から変わらないレシピです。サクサクのパイ生地に、優しい味わいのカスタードクリームといちごがベストマッチ。自分へのごほうびにもいかが?
ご来店の際は直接店舗に営業時間の確認を行なっていただいた上でのご来店をお勧めいたします。