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世の中に賞と名のつくものは数あれど、チャンピオンにはなかなか出会えるものではない…はず…?!ところが、立川には名だたる賞レースで映えある1位を受賞したすごい人が何人もいらっしゃるんです。今回はそんな「街角の偉人」が営むお店を訪ねてみました。

ハンドドリップコーヒーの日本チャンピオン!

2022年、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が主催する、ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ2020(JHDC2020)の決勝で見事優勝を果たした黒澤さんに、この競技の見どころと当時の心境、今現在の目標などを伺いました。
(※新型コロナウイルスの影響により、予選の途中から2年間の延期となった大会です)

子どもたちに誇れるものを残したかった

ーー
JHDCというのはどんな競技大会ですか?
黒澤さん
全員が同じ豆、統一したルールと条件のもと、ハンドドリップでコーヒーを淹れ、その正確性や美味しさを競う競技大会です。当日支給されるコーヒーを、限られた環境の中でいかに美味しく淹れるか。そのためには、自分が抽出したコーヒーの味を正しく判断できるか、さらには調整できるかどうかがポイントとなってきます。
ーー
ということはやはり、ハンドドリップやコーヒーに関する幅広い知識や高い技術が求められるということですよね。
黒澤さん
そうですね。豆が変わっても味のブレが少ない淹れ方を用意しておく必要がありますし、抽出時間が5秒変わってもコーヒーの味に影響するので、繊細な味づくりが求められます。
ーー
すごく緊張しそうです。
黒澤さん
すごく緊張します(笑)。だからこそ、練習の時から本番と同じ流れで行う事が大切で、それこそ器具の配置からテーブルの高さまで本番と同じ設定で行うんです。
ーー
茶道みたいですね。
黒澤さん
所作の流れを決めておくという意味では、似ているかもしれないですね。決勝本番では、プロの審査員の方々が、香味や質感といった味覚のほか、器具の取り扱い、オペレーションなどの10項目以上をチェックしていきます。それは競技後にほら、こんなふうにスコアシートを返却していただくんですよ。
ーー
わあ、こんなに詳細に評価してもらえるなんて、ちょっと宝物になりますね。
黒澤さん
まさにそうです。私自身、元々はもっと小さな大会に出ていたんですが、自分の淹れるコーヒーは全国でどんな評価をされるのかということに関心があって、出場を決めたんですよ。
ーー
見事優勝を果たして、いかがでしたか?
黒澤さん
自分の淹れたコーヒーを高く評価していただいたことは本当に光栄だと思っています。我が家の子どもたちはまだ小さいのですが、父として子どもたちに何か誇れるものを残したいと思っていたので、それもすごく嬉しかったです。
ーー
素敵ですね〜。今、何か目標はありますか?
黒澤さん
ブリュワーズカップやカップテイスターズなど、より幅広く、トータルでコーヒーのセンスを求められる競技大会への出場を考えています。

暑い日にぴったりな急冷式アイスコーヒーはいかが?

ーー
ハンドドリップで淹れたコーヒーを、アイスで飲んでみたいです。
黒澤さん
いいですね。そしたら急冷式という方法で作りましょう。豆はホットの時の1.5倍ぐらい、お湯は少なめに100ccぐらいが良いでしょう。
ーー
氷で冷やす時の音が涼しげでまたいいですね。
黒澤さん
アイスでも豆の風味をしっかり感じられるので、おすすめですよ。

PORTERS COFFEE

南武線西国立駅から徒歩3分にあるコーヒー焙煎所。美味しいスペシャルティコーヒーはJR立川駅南口、柴崎町にオープンしたコーヒースタンドでいただけます。
詳しいお店の情報は

お菓子のワールドカップ、飴細工部門チャンピオン!

2010年、アメリカで開かれた製菓の国際コンクール、WPTC(ワールドペストリーチームチャンピオンシップ)で優勝を獲得したチームJAPAN。その中で飴細工部門を担当していたのが、三宅シェフでした。出場することになった経緯、競技のこと、当時の思い出など、お話を伺いました。

作品を通じて世界共通のストーリーを紡ぎ出す

ーー
まず、WPTCについて教えてください。
三宅さん
2年に1度アメリカで開かれていた、製菓の世界チャンピオンを決めるコンクールです。私が担当した飴細工部門のほか、チョコレート部門と9種のガトーによる味覚部門の3名で1チームを結成し、世界中から出場する10チームが、1日目5時間、2日目8時間の合計13時間で戦う、とても厳しいルールの大会でした。
(※現在は終了しています)
ーー
当時はホテルでパティシェとしてお仕事されていたそうですが、なぜこの大会に出ようと思ったのですか?
三宅さん
2004年に当時の上司が決勝に出場し、4位だったということがあって。2006年に上司が連続出場した際には、助手として同行させていただき、本場の空気を感じました。しかし、終了直前に飴細工が壊れてしまい2位に終わってしまったんです。それはもうとても悔しくて、「いつかこの借りを返したい」と思ったのがきっかけです。とはいえ翌年の国内予選で自分は2位に終わり、決勝進出した日本チームはまたもや2位と惜敗。どうしても優勝したいと思いました。
ーー
そして国内予選で優勝し、決勝でも見事に優勝されましたね。
三宅さん
今や著名なシェフ2名に10歳年下の自分がチームの一員として仲間入りできたことがとても運に恵まれていました。当時は休みの日に3人で集まって、13時間分の競技の練習をしていたんですが、タイムトライアルの要素も強いので、とにかく減点などがないよう、きっちり作ることを意識してましたね。
ーー
決勝でのテーマはなんだったんですか?
三宅さん
「幼少期」だったんです。それで、世界共通で見てすぐにわかる題材はなんだろうって考えて、「ピーターパン」に。チョコレートでフック船長が持つダークなイメージを表現して、私は飴でピーターパンの明るく鮮やかな色使いを表現することになりました。本から飛び出してきたようなストーリー性のある作品を意識しましたね。
ーー
当日はどんな心境でしたか?
三宅さん
飴細工は本当に繊細で、2cm以下の薄さで各パーツを作らなければならなかったり、本番ならではのトラブルもあったりとめちゃくちゃ大変でしたけど、とにかく「もう楽しむしかない」という気持ちで作業してました。砂糖を煮詰めて冷やして伸ばして…というところから始まって、最終的には2m20cm、50Kgの作品を仕上げました。
ーー
有言実行、借りを返しましたね。
三宅さん
そうですね。本当にチームに恵まれましたし、一緒に行った家族やサポーターの方々の応援が力になりました。

繊細な手仕事を生かしたケーキ作り

ーー
現在はお店をオープンされて、オーナーシェフとしてたくさんのケーキをプロデュースされているわけですけれど、三宅シェフの飴細工の手仕事を拝見することはできるんですか?
三宅さん
お店の周年の時に飴細工を作って店頭に飾ったことがありますよ。他にも、オーダーがあれば飴細工をほどこしたバースデーケーキなども作ることができます。
ーー
それはとても嬉しいですね!ショーケースに並んでいるケーキも、芸術作品のようです。
三宅さん
これからはスタッフの育成に力をいれ、自分が感じてきたことをスタッフに伝えコンクールにも参加してもらえるような環境づくりをしていきたいですね。そして、自分ももちろんまだまだ挑戦していきたいです!

パティスリー ハルミエール

立川駅北口からけやき台団地方面にバスで約15分、ガラス張りの明るい店内に鮮やかなライトグリーンのショーケースが映える、人気のパティスリーです。
詳しいお店の情報は

ワインアドバイザー全国選手権大会チャンピオン!

2003年、日本ソムリエ協会が開催した第5回ワインアドバイザー全国選手権で、優勝者に輝いた荻野さん。江戸時代から続く酒屋の6代目当主であり、現在はワイン呼称資格の最上位であるソムリエ・エクセレンスとしても活躍されている荻野さんに、当時のエピソードを含め、驚くべきワインの世界についてお話を伺いました。
(※現在はより大きな枠組みに吸収された賞です)

卓球からワインの世界への華麗なる転身!

ーー
コンクールに出場し、優勝を目指すようになった経緯を教えてください。
荻野さん
私は元々高校、大学、社会人と卓球一筋で、世界卓球の選手だったこともあるんです。そこから実家の酒屋を継ぐことになり、ワインの勉強を始めた。ワインアドバイザー全国選手権は第2回から出場してたんですが、「順位の入った賞状をもらいたい」と思ったのが、受賞を目指したきっかけですね。
ーー
卓球からワインの世界への大きな転身ですね。試験勉強は大変でしたか?
荻野さん
あの頃は毎晩、深夜までソムリエ教本と首っ引きで勉強してましたね。記憶力と知識に加え、味の表現力も問われる試験ですから、自分の中にたくさん引き出しを持っていなくちゃいけないんです。
ーー
本番はどんな状況だったんですか?
荻野さん
その年の大会は沖縄で開かれたんですが、全国から選ばれた15人がまず筆記試験を受け、決勝は5人で戦いました。元々全国7356名のワインアドバイザーの中から66名がエントリーしたそうです。
ーー
決勝ではどんな問題が出されたんですか?
荻野さん
テイスティングでは、テーブルの上に並べられた5種類のグラスについて、ぶどうの品種や生産国、生産地域、収穫年などの問題が出されました。そのうち1個はワインですらなく、なんのお酒かを当てるんです。ずばり、はぶ酒でしたよ(笑)。
ーー
特に難しかった問題には、どういうものがありましたか?
荻野さん
沖縄が日本に返還された記念の年にシャトー・ムートン・ロートシルドのラベルを描いた画家は誰か?といった歴史問題には、なかなか悩みましたね。サービス実技でも、ワインの特徴やアルコール度数、どんな料理に合わせると良いかといった問いに対して、正確に答えなければならないんです。
ーー
教本だけではわからないことも幅広く知っている必要がありそうですね。優勝されてから何か変わったことはありますか?
荻野さん
ワイン教室を開催するようになり、人との繋がりが広がりました。あいにく新型コロナウイルスの影響で現在は休止している状況なのですが、教室の再開ができたら嬉しいですね。
ーー
それは待ち侘びていらっしゃる方も多いと思います。
荻野さん
ワインを持ち込んでレストランで食事会をするとか、あと最近は円安でなかなか難しいですけど、フランスのワイナリー巡りのツアーもできたらいいなあと。

温度管理した店内には自然派ワインがたくさん!

ーー
この表はなんですか?
荻野さん
ワインのアロマを絵図にしたものです。フルーツやハーブ、スパイスなどに例えてみたり、おもしろいのだと煙なんていう表現もあるんですよ。
ーー
奥が深いですね。荻野さんは生産者さんとの交流も大切にされていらっしゃるんですよね。
荻野さん
信念と哲学をもって農家さんが真摯に作る自然派のワインが好きですね。造り手の方はユニークな方が多いんですよ。

エスポアおぎの

立川駅南口から南下した富士見町に店舗を構えるエスポアおぎの。徹底した品質管理のもと、店主自らフランスで買い付けてきたここでしか買えないワインも多数。
詳しいお店の情報は

※各店舗の都合により、掲載情報(営業時間・価格等)の変更がある場合がございます。
ご来店の際は直接店舗に営業時間の確認を行なっていただいた上でのご来店をお勧めいたします。