美味しいものを食べたり、どこかに行ったりする特別なイベントもいいけれど、毎日の暮らしをほんのちょっとクラスアップできることはないかしら、と思う今日この頃。コロナ禍でテレワークになるなど、生活がさらに身近な今だからこそできることを、立川で活躍していらっしゃるスペシャリストの皆さんに訊ねました。
※取材時はマスクを着用し、喚起など十分な観戦対策を行っています。撮影時のみマスクを外しています。
「こんにちは~」赤いのれんをくぐると、折りしも焙煎の真っ最中。アットホームな雰囲気の店内いっぱいにコーヒーのいい香りが漂っています。案内されたカフェスペースから、マスターの動きを思わずじっと見つめてしまいました。職人さんの手仕事っていいですよね~。
「いらっしゃい」と笑顔で出迎えてくださった店主の渡邉さん。コーヒーの魅力にはまり、脱サラして焙煎所を兼ねたお店を開いてしまうバイタリティーの持ち主です。コーヒー入門講座をお願いすると「じゃあまずは豆選びから」と快諾してくださいました。
専門店で販売されている豆には、原産地やアロマの風合い、焙煎の種類について記載されていることが多いそう。「豆の特徴と同じように、浅煎りはまろやかで酸味が出やすい、深煎りは苦味とコクがあるなど、焙煎の度合いによっても味が変わってくるので、チャートのように好みの味わいを見つけて。わからなければなんでも質問してください」と渡邉さん。心強いですね。
「手で挽く珈琲豆の良さはもちろんあるけれど、最初のうちはミルも任せてしまっていいですよ」と渡邉さん。「深煎りは粗く挽いて多めに使う方が美味しかったりという塩梅もありますからね」とのことです。
コーヒー初心者にとって、ドリッパーの形の違いは七不思議のひとつではないでしょうか。対して「ゆっくり淹れたい方には台形、すっきり味わいたい方には円錐形が向いていますね」となんとも明瞭な渡邉さんの回答。なるほど!と目から鱗です。
渡邉さんいわく「紙がけっこう大切なんです。柔らかく雑味が少ないので、メーカーのペーパーフィルターをおすすめしています」とのこと。豆の白い部分は灰汁のもとになる薄皮なので、あおいで飛ばしてしまうのが良いのだとか。
この日淹れていただいたのは、パプアニューギニア産の中深煎りの豆。「中深の場合、うちでは1 杯15g の豆に対し多めのお湯を用意し、140cc ~150cc 抽出します。お湯は沸騰してから注ぐ容器に移し替えると90℃ぐらいになるので、それが適温です」と渡邉さん。「別にカップも温めておくと良いでしょう」
「最初の30 秒で中心に細く注ぎます。雑味が出てしまうので、なるべくペーパーを濡らさないよう小まめに5~6 回は落とす気持ちで」とのこと。豆の種類や焙煎によって、お湯を落とした時の膨らみ方も変わってくるそうです。
「最後に溜まったお湯には雑味のもとになる不純物や苦味が溜まっているので、素早く引き上げることが、美味しさのコツなんです」と渡邉さん。お茶とは正反対なんですね!同様に、二酸化炭素が多く含まれている泡も取り除いた方が、美味しく楽しめるそうです。
そうしてカップに注がれたコーヒーは、もちろん至福の一杯。バランスがよく、程良い酸味を感じられる味わいです。最初に飲んだコーヒーから、もうちょっと軽く、もうちょっとまろやか…など自分の好みを探っていったり、まずは今流行っているブランドの豆を飲んでみたり、間口はとても広いのだなあという印象。でも、その先はとっても深~い予感のする珈琲道。毎日少しずつ楽しめる、素敵な暮らしアップ術を教えていただきました。
何事を始めるにも縁起が良いとされる一粒万倍日。2022年の運気をアップさせるべく、お財布を新調したいと思いたち、訪ねたのは OJAGA DESIGNさん。一目でそうとわかるオリジナリティ溢れるデザインと、ハンドステッチならではのぬくもりを感じる製品が魅力のブランドです。はたして理想のお財布と出会えるでしょうか。
※現在は完全予約制ですので、事前にご予約ください。
「こんにちは、いらっしゃいませ」と笑顔で迎えてくださったのは、マネージャーの小川さん。OJAGAさんことデザイナーの小川正さんの奥様でもあります。「オジャガの製品を使ってくださるお客様は皆どこかこだわりを持って選んでいらっしゃるように感じますね」と小川さん。確かに、立体的なデザインやパターン、物語性を感じさせる独特な色合いなど、他にはない自分だけのアイテムを迎え入れるような気持ちになりますよね。「使っている方同士にも仲間意識が芽生えるみたいですよ」とのこと。すごくわかる気がします。立川市内に工房と店舗を構え、あくまでもハンドメイドにこだわる地域密着の企業という存在自体、とてもオリジナル。「人間にしかできない可能性を進化させながら、お客様と共に歩んでいきたいです」と小川さん。とても壮大で自由なコンセプトの基に作られたお財布を手にできるのだと思うと、本当にワクワクします。せっかくなので色々見せていただくことにしました。
細部に至るまでこだわり抜かれたデザインと、絶妙な色違いがたまらないスマホケース。みんな違うのに、みんなOJAGA DESIGNだとわかるのがすごい!
使い込むほどに馴染んできそうなバッグも、手縫いならではのあたたかみが感じられますね。シンプルなものから凝ったデザインまで幅広い展開です。
まるで美術館に来たような、アーティスティックな空間。有名キャラクターとのコラボ作品も多数。どれも可愛くて、全部欲しくなってしまうから悩ましいんです。
コロナ時代のエチケット、マスクケースやソーシャルディスタンスを促すメッセージ付きのマスクバンドなど、メディアでも度々取り上げられている人気商品も。
通帳などが入るファスナー式のシンプルなものから、これぞOJAGA DESIGNの真骨頂!と歓声を上げたくなる立体的なデザインのものまで、よりどり見どり。この中からひとつを選ぶのは…思ったよりも難しいです(笑)。ウォレット 24,200円〜。
糸や革を選べるカラーオーダーも人気。自分の色で1点物のお財布を作ってもらうことができるんです。あれこれ組み合わせてみたくなっちゃいますね。
迷いに迷って選んだのは、こちらの長財布。鮮やかなイエローとターコイズブルーに差し色のキャメル、開運のラッキーアイテム、星が散りばめられたようなデザインが決め手です。コイン入れにファスナーが付いていたり、カードがいっぱい収納できたりするのも高ポイントですよね。カラフルなのに大人が持っても浮かず、気分を明るくさせてくれる素敵なアイテム。例えば黄色いお財布が良いとかミニ財布が流行りなど色々あるけれど、結局自分が一番気に入った物を大切に使っていくことが、ひいては開運いつながるのではないでしょうか。というわけで2022年はこちらのお財布と共に強運で参りたいと思います!
近ごろ、着物をセンス良く着こなしている素敵な女性を見かけることが多くなりました。フォーマルな場面だけじゃなく、日常で着物をさらっと着こなせたら…そんな憧れを胸に相談にやってきたのは、大正時代から続く老舗呉服店のほっとすぺーす中屋さん。着物のおしゃれな着こなしのアドバイスをしてくださる、心強い味方です。
創業1922年、100年の歴史を持つ中屋さん。行事やお祝いで着るようなフォーマルな着物から晴れやかな振袖、希少な琉球紅型(びんがた)などの商品を取り扱うほか、趣味で着ることができる普段着まで、用途や好みに応じて幅広い品揃えでアドバイスをされているのだとか。一面ガラスのショーウィンドウには、週替わりで季節の着物をディスプレイしているそうですよ。「着物を着るということは、職人さんの想いをまとうということだってことはずっと伝え続けていきたいですね。手で染める、手で織ることに、作り手の想いが込められているんです」と中里さん。そこにはファストファッションにはない「価値」があるといいます。そう考えると自然と背筋が伸びるような、大切にしなくてはという気持ちになりますね。「かといって、気を張りすぎる必要もないんですよ」とおっしゃる中里さん。「例えばお友達と食事に行ったりショッピングに出かけたりというような日常の場面では、ワンピース感覚で自由にコーディネートしていただけますよ」とのこと。それならずいぶん気持ちが軽くなりますね。さっそく詳しく教えていただきましょう。
店内には反物や帯、草履やバッグなどがずらりと並んでいて、その華やかさに思わず目移りしてしまいます。どれも素敵なものばかりですが、いざコーディネートするとなると、色や柄をどんなふうに組み合わせたら良いのか、帯と着物の格は合っているのか、このお着物は普段着にしていいのか、などなど悩んでしまいます。ここはやはり、プロの知識とお力をお借りするのがいちばん!ということで、中里先生、よろしくお願いいたします。
上下の区別のない柄が、全体に入っているのが小紋の特徴です。普段着からちょっとしたお出かけまで、幅広いシーンで活躍するので、ビギナーさんはまずは小紋から。
小紋には、一重太鼓で結ぶ名古屋帯が合います。染めや刺繍、色合いなど、選んだ着物の雰囲気に合ったものを選びましょう。さらにカジュアルに着たい時は、結ぶのも簡単な半幅帯がおすすめ。
長襦袢は上下が分かれているタイプ、木綿のように普段に着るものなら、足袋は伸縮性のあるソックスタイプも便利です。草履や下駄、バッグも着物の雰囲気と合わせれば、あっという間に全身コーディネートの完成!
普段着の場合、基本的に自由な組み合わせで大丈夫ですが、二重太鼓を結ぶ袋帯や、金糸銀糸が入ったような豪華な名古屋帯は釣り合わないため、そこだけは注意しましょう。
さあ、こちらが中屋さんに見立てていただいたワンピース感覚の着物コーデです。いかがでしょうか。川越唐桟という木綿の着物にデニムのリバーシブル細帯を合わせ、半衿と帯でドット柄をリフレイン。仕上げにストールを羽織れば、遊び心たっぷりのコーディネートの完成です。洋服だと散らかりがちな色合わせや柄合わせも、しっくりとまとまるのが着物マジック。ちょっとしたお出かけに着て行ったらウキウキしそうですよね。
川越唐桟 仕立て上がり32,000円。細帯 3000円〜。二部式襦袢 8,800円。これに草履を合わせても、約50,000円で全身コーディネートが叶います。
浴衣帯のイメージが強い細帯(半幅帯)ですが、結び方のアレンジも多彩でおしゃれ上級者こそ好んで使うことが多いのだとか。写真の結び方は「角出し」をアレンジしたもの。蝶々リボンにたれ(長い部分)を巻きつけ、重ねずにずらすことでリバーシブルの生地を見せて小粋に。飾りで帯締めや帯留めをしても可愛いそうです。お太鼓を作らなければならない名古屋帯よりも、慣れてしまえば気軽に結べそうで入門編にぴったりですね。
洋服だと無地を選びがちなマスクも、お着物の時は華やかな柄を選んで楽しむのがおすすめだそう。それにしてもおしゃれなマスクがたくさん。顔まわりの印象が華やかになるので、いくつも集めたくなりますね。マスク 990円〜。
色とりどりの反物を広げ、帯を合わせて丁寧に説明してくださった中里さん。同じ着物でも帯ひとつで印象がガラッと変わる上に、帯結びによっても雰囲気が違うのにはびっくりでした。「そういう楽しみ方のアドバイスは、私たち呉服屋にぜひ気軽にご相談ください」とおっしゃる中里さん。「商品説明はもちろん、着付けのお手伝いやメンテナンスもできますから。お一人で何もかもやろうとすると大変でも、餅は餅屋、着物のことは着物屋に頼ればいいんですよ」となんとも頼もしいお言葉。皆さんも、暮らしのワンシーンに着物を取り入れるアップ術、トライしてみませんか?
喫茶店やカフェにはよく行くし、コーヒーが好き。でも全然詳しくはないんです。という方、実はかなり多いのではないでしょうか。そんな時、自分の好みの味を知っていれば、初めてのお店でも迷わずにすみますし、逆に冒険もしやすくなるもの。今回はコーヒー豆の選び方から美味しいコーヒーの淹れ方まで、コーヒーの基本の「き」を学ぶため、自家焙煎珈琲豆店の一福さんにやって参りました。