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移転後もおおきに!たちかわ繁盛店グルメスポット巡りが趣味の私にとって「移転」はドキッとする言葉ですが、立川のお店は例外かもしれません。というのも、移転後も立川に店を構え、パワーアップして帰ってくることが多いんです!そこで今回は、移転してからも成長を続ける3店をピックアップ。繁盛店の秘密を探しに、お話をうかがいます。

心ほどけるフランスの家庭料理 01 ビストロサイトウⅢ

移転前は立川駅南口から少し歩いた場所にあったビストロサイトウ。家庭的なフランス料理とワインのお店として親しまれていましたが、2020年4月にグリーンスプリングスへ移転。その後、「ビストロサイトウIII(トロワ)」としてリニューアルを果たしました。ガラッと立地条件が変わったにも関わらず、その人気ぶりは健在。変化をチャンスに変えてきた、同店のシェフにお話を伺います。

落ち着き漂うシンプルで上品な佇まい
店の写真

立川北駅から歩くこと4分。グリーンスプリングスの2Fへ上り、しばらく歩くと右手奥に一際スタイリッシュなお店が目に入ります。店頭のメニューを見ると、好みの料理を選べるプリフィクスコースが2つ。メインディッシュも多彩で、お肉にいたってはソースまで選べるようです!それでは、お店に入ってみましょう。
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気さくなシェフが笑顔でお出迎え
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シェフの斉藤直樹(さいとう なおき)さん。辻調で約30年指導していた凄腕シェフと聞いて、ドキドキしていましたが「ようこそ!」と優しい笑顔で迎えてくださり、緊張がほぐれます。料理はもちろん、ホスピタリティに溢れたおもてなしも評判。お客様は30~80代と幅広く、以前よりも若い方が増えたそうです。
カウンターでくつろぐ贅沢なひと時

店の写真

洗練されていながらも温かみのある店内は、普段遣いから特別な日まで、さまざまなシーンに対応してくれそうです。カウンター12席、テーブル4席のゆったりした配置は「居心地の良い空間で料理を味わってほしい」との思いから。外から見ても「入ってみたい」と思わせる、落ち着いた雰囲気のカウンターが新鮮に映りました。
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LUNCH

ランチコースはA:3,900円/B:5,500円(ともに税込)の2つ。メインディッシュは7種の料理からAが1品、Bが2品選べます。メニューには特製のカレーやオムライスなど、昔の常連さんおなじみの料理も。今回は贅沢にBを注文しました!
※料理はいずれも単品注文不可

選ぶのが楽しいプリフィクスコースのランチ

料理

目にも鮮やかなオードブル盛り合わせは5品。左上から時計回りに、キャロットラペ、玉ねぎとキャベツのオムレツ、グリーンピースのポタージュ、自家製鶏ハム、エスカベッシュ。ワインと好相性な料理の数々に、思わず乾杯したくなりました!メインディッシュへの期待も高まります。

料理

お待ちかねのメインディッシュ1品目はお魚のムニエルをセレクト。今回の魚はサワラです。柔らかく、淡白な白身魚に添えられたのは、レモンがきいたバジルとトマトのソース。フレッシュトマトの風味に、レモンとバジルの爽やかな香りが、初夏にぴったりな一皿でした。白ワインとも相性抜群です。

料理

2品目は静岡県産 富士の鶏のオーブン焼き。自然豊かな富士山の麓で育てられた鶏はクセがなく、程よく脂の乗った柔らかな肉質です。ソースは3種類から選べますが、今回はシェフおすすめの赤ワインソースでオーダー。季節の野菜も彩りを添えます。

料理

コースを締めくくるデザートは、しっとりした食感のガトーショコラと、色味が可愛らしいカシスのシャーベット。こちらも季節によってタルトやケーキに変わるので、要チェックです。食後のドリンクは、コーヒー、紅茶、ハーブティーなどの7種類を用意。最後まで大満足なランチコースでした!

DINNER

特別な日はシェフの技が冴えるディナーを

料理

心ゆくまで料理を堪能するならディナーもおすすめ。ランチと同じくプリフィクスコース2種類(A:5,500円/B:7,300円)での提供ですが、昼とは違うシェフのスペシャリテが楽しめます。ディナーでは追加料理も注文可能。ワインはボトル3,800円~、グラス800円~。席がすぐ埋まるため、早めの事前予約を!
※料理はいずれも単品注文不可

おいしい以上の価値を生んだ三度の移転
オーナーの写真
ランチを中心にファンを増やしていた、移転後のビストロサイトウ。初の移転は順調だったにもかかわらず、斉藤さんは三度目の挑戦を決めます。
「若い人に知ってもらえて嬉しかったんですが、初心に帰って『いろいろな料理をゆったり味わってほしい』と思って。そこにタイミングよく、リニューアルの条件が整ったんです」とのこと。1店舗目と同じくカウンターをメインに据え、席数を抑えました。
「初対面の人でもすぐ友達になっちゃうんです」と朗らかな斉藤さんは、関西のカウンター文化を自分のお店でもやりたいと考えたそうです。
「出身は北海道ですが、元々関西に長くいました。向こうでは飲食店でも隣の人やスタッフと会話を楽しむのが普通なんです。自分の店でお客さん同士が仲良くなったら、こんなに嬉しいことはないですよね」と笑顔で話します。
 
良心的な価格にも、斉藤さんらしい理由が。
「1万円以上出せば、おいしい料理ってたくさんあるでしょう?また行きたいと思ってもらうには、料理以外の部分も大切です。お客さんに『今日は楽しかった』と気持ちよく帰ってほしいですから」とのこと。多くの人が行きつけにする理由が、たくさん詰まったビストロでした!
ビストロサイトウⅢ
住所/東京都立川市緑町3-1-2F E3 212
電話/042-506-1730
営業時間/11:00~15:00(L.O13:30)
17:00~22:00(L.O20:30)
定休日/水曜日、第2・4火曜日
URL/https://www.instagram.com/bistrosaito/

酒肴もごはんも本気の居酒屋 菊松食堂

おでんと馬刺しが名物の菊松食堂(旧・菊松屋)。以前は立川通り沿いにあり、駅から少し離れた立地でした。それでも通うファン多数。料理はもちろん、気さくな接客でも常連さんの心を掴んでいた名店です。「もっと地域に愛されるお店にしたい」と2016年10月に移転。立川北駅から徒歩4分、サンサンロード沿いにリニューアルオープンしました。お買い物やイベントの帰りに立ち寄る方も多いようです。

遊んだ帰りは和定食とお酒でひと休み
店の写真

立川北駅からサンサンロードを歩くと、右手にお店を発見。移転前もトレードマークだったカッパちゃんは健在で、膝の上におにぎりを乗せてちょこんと座ってます(かわいい!)。これからの時期はテラス席も気持ちよさそうですね。店頭のメニューをチェックすると、定食だけでも充実のラインナップ。さっそくおじゃまします!
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『お客さん出身』の店主によるおもてなし
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店主の須崎敏治(すざき としはる)さん。「私自身が移転前の店舗の常連客だったんですよ」と話す須崎さんの前職は介護職。転職について悩んでいたところ「バイトからやってみる?」というオーナーの後押しもあって入店したのだそう。ご自身がお店に通っていた経験を活かした、きめ細やかなサービスも評判です。
木の風合いを活かした古民家風の店内

店の写真

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移転前の「古きよき居酒屋」の雰囲気はそのままに、席数は80席と以前の倍以上。「規模は大きくなっても、くつろげる空間づくりを心がけています」と須崎さん。柱は飛騨高山から取り寄せた質の良い古材を使うなど、随所にこだわりが見られました。暖簾に書かれた「おでん」「馬刺し」の文字に胸が躍ります!

店の写真

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菊松食堂が2つあるのかと思いきや、正面から見て右隣は、ランチと宴会用のスペース。「今年から始めた、ランチの蕎麦ときしめんはこちらで提供してるんです。セルフでサクッと食べられる“こしかけ”スタイルですが、出汁と麺にはこだわってます」とのこと。
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A LA CARTE DISH

銘酒と合わせたい名物おでんと馬刺し

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料理
おまかせ5点盛り合わせ1,298円(税込)。おでんは、あっさりとした関西仕立て。昆布、かつお、サバで引いた出汁は創業以来変わりません。私のイチオシは大根。味の染み込んだ大根に、トロッとした昆布の食感が後を引きます!おでんの具では珍しい、ソーキも人気だそうです。お酒は、奥 夏純吟825円/1合(税込)。

料理
赤身刺し1,980円(税込)。馬肉は「会津馬刺し」の発祥地、福島県会津坂下町から直送で鮮度抜群。鹿児島の甘醤油をつけていただきます。合わせるお酒は、白真弓 純米吟醸 ひだほまれ825円/1合(税込)。スタッフの1人が蔵元の娘さんだったご縁で入荷したところ、お客さんに好評だそうです。

SET MEAL

ごはんが進む特製定食でお腹いっぱいに

料理

豚肩ロース生姜焼き定食1,595円(税込)。ジューシーで柔らかなお肉は、三元豚ブランド「下田さん家の豚」。炭火で焼き上げたお肉に、特製ジンジャーソースで仕上げた一品。ふっくら炊きたてのご飯は、希少な飛騨高山産のコシヒカリ。鉄板の組み合わせながら、こだわりが感じられる定食ですね。お酒の後の〆にも。
お客さんを喜ばせる創意工夫がお店の強み
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店主の須崎さんは入店して7年。奥様と知り合ったのもお店というから驚きです。プライベートも菊松食堂にご縁があったんですね。
 
「今も試行錯誤の日々ですよ」という須崎さんが力を注ぐのは、新メニューの開発。オーナーと一緒にアイデアを練ることが多いそうです。
中でも豊富な定食メニューは「最初は数種類だったんですが、要望に応えるうちに自然と増えていきました」とのこと。定番の和食から丼物まで20種類以上から選べて、昼も夜も注文できるというのが嬉しいですね!すべての定食を制覇したくなりそうです。
 
「以前は隣のスペースを別店舗として、洋食やホルモン焼きを提供していました。その経験のおかげで『普通のご飯が食べたい』というニーズに応えられてるのかもしれません」と須崎さん。お店の歴史も現在の豊富なメニューに繋がっています。
 
今後について聞くと「以前のような、距離の近い接客スタイルが減ったのは課題ですね。お店が実家のようにくつろげる場所になれたら」とのこと。ふらりと立ち寄れる気軽さは、昔から変わらない菊松食堂の魅力。リフレッシュしたくなったら、第二のふるさとに帰るような気分で暖簾をくぐりたいと思います。
菊松食堂
住所/立川市緑町4-5コトブキヤビル103
電話/ 042-595-9303
営業時間/平日11:00〜15:00、17:00~22:15(金~22:30)
土11:00~22:30(日祝~22:15)
定休日/無休
URL/https://tabelog.com/tokyo/A1329/A132901/13201097/

職人技が光る自慢の焼き鳥 炭火焼たまや本店

いつ訪れてもカウンターが活気に満ちていた、炭火やきとり玉屋。なかなかお目にかかれない希少部位も食べられるとして、地元の人に愛されてきたお店です。高松町で13年半営業していましたが、建物の老朽化により2024年10月に移転。立川駅南口の飲食ビルGEMS(ジェムズ)に「炭火焼たまや本店」としてリニューアルオープンしました。メニューもパワーアップして帰ってきたみたいですよ!

店の写真
南口を代表するグルメタワーに移転
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GEMS(ジェムズ)は、全フロアが飲食店。さまざまなジャンルの人気店が集結した話題のスポットです。たまや本店があるのは9Fで、眺望も楽しめるのだとか。ビルをふと見上げると、輝く店名ロゴを発見!店内がどんな雰囲気なのか気になりますね。1F左側奥のエレベーターに乗って、お店へ向かいます。
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ソムリエ資格を持つお酒のエキスパート
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店長の田中恒輔(たなか こうすけ)さん。玉屋時代は料理長、系列店でも店長を務め、“たまやの焼き鳥”を広めてきました。お酒のセレクトも、ソムリエと利き酒師の資格を持つ田中さんが担当。ワインから日本酒まで幅広く取り揃えています。「ペアリングもご提案しますよ」とのことで、いろいろな組み合わせを試したい人にも心強いですね!
すべてが特等席のラグジュアリーな空間

店の写真
店の写真

店の写真
エレベーターの扉が開くと、料亭を思わせる上質な空間が広がります。席数は40席で、レイアウトもゆったり。以前とは違う装いで驚きましたが、コの字カウンターは健在です。街を一望できる大きな窓も印象的。田中さんによると「昼と夜で店内の雰囲気が変わりますよ」とのこと。見事な眺望も、空間づくりに一役買っているようです。

A LA CARTE DISH

素材の良さを活かした酒肴で乾杯
料理
おまかせ5本1,700円(税込)は、地鶏の「京都丹波黒どり」が入ったお得なセット。希少部位や旬の野菜串など、1本ずつ出てくるごとにワクワクします。

料理
藁焼き合鴨ロース 1,280 円( 税込 )。藁のスモークで香り付けした鴨は香ばしく、脂の甘みが感じられる一皿です。好みで付ける柚子胡椒もアクセント。

料理
出汁巻き玉子800円(税込)。卵の味が濃い、小金井産フルーツエッグを使用。ふわふわプルプル食感の出汁巻きは、口に運ぶとホッとします。

LUNCH

銘柄鶏を使ったお得なランチも人気
料理
不動の人気を誇る親子丼1,280円(税込)は昼限定メニュー。炭火でふっくら焼き上げた鶏肉に、卵がトロッと絡みます。ランチコースは2,200円、3,300円、飲み放題付きの5,500円(すべて税込)の3種類で、前菜、焼き物、ごはんもの、デザートと、たまやの料理を満喫できる構成。会食にもおすすめです。

料理

STAFF

心地よい接客にも定評あり

料理

料理
カウンター越しに弾む会話は昔から変わりません。「若いスタッフが中心になって店を盛り上げてくれてるんですよ」と田中さん。その言葉通り、接客の合間にもテーブルセッティングや仕込みを次々とこなしていく姿が凛々しい!お客さんと楽しそうに話す姿も印象的でした。

変えないことも大切にしたお店づくりが人を呼ぶ
オーナーの写真
以前の店舗は、建物の造りを活かした趣のある店構え。そこから一転、和モダンな空間にしたことでお客さんにも変化があったようです。
「移転前からの常連さんのほか、ビジネスマンの方もよく来てくれるようになりましたね。他の席と離れた場所に完全個室を設けたので、商談や接待にもぴったりなんです」と田中さん。室内に専用の焼き台があるので、その場で炭火焼料理を提供するそうです。記念日にも利用したくなる、大人のための空間ですね。
焼き鳥は、燻製ぼんじり、せせりねぎなど、以前から人気の串に加えて、そりひれ、せぎも(腎臓)などの希少部位も変わらず提供。鮮度抜群の鶏を、毎日仕入れているからこそ可能な、限定メニューです。
 
お店のあった高松町とは、以前と違う形でご縁が続いてるのだそう。「系列店の仕込み調理をする、セントラルキッチンがあるんですよ。ちなみに本店は例外で、変わらず朝からお店で串打ちをしてます!」とのこと。これまで培ってきた技の集大成が、一串に込められているようですね。
変えること・変えないことのバランスが絶妙な、たまや本店。繁盛店であり続ける秘訣を見せていただきました!
炭火焼たまや本店
住所/立川市柴崎町3-6-9 GEMS立川9F
電話/042-512-9581
営業時間/平日11:30〜14:30、16:30〜23:00
土11:30〜23:00(日祝~22:00)
定休日/無休
URL/https://tamaya-chanbara.com/yakitori-tamaya/

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